ピロの手入れに
 TRACT SPORTSさんからピロの手入れ方法を入手したので添付しておきます。ご参考にしてください。
 
 本日、ピロの手入れについて、ピロ製造元のミネベア梶iピロのシェアは世界の60%を占め世界のレースシーンでも信頼され使用されている会社)のノダ様より回答がありました。
 これで皆さんに少しでもピロのことを知っていただけたら幸いです。

 このピロブッシュに採用されているベアリングには、高性能・長寿命が要求される車種のサスペンション周りに広く使われている「テフロンライナータイプ」を採用しています。

 このタイプのベアリングは「F-1」や「各種耐久レース」等にも用いられています。

 このベアリングはドライ(無潤滑)環境で使用されると、テフロンライナーの性能を一番発揮できます。グリスやオイル(CRC等の市販品も含む)は性能アップに寄与しないばかりか、粘度によっては外部からの砂塵等を巻き込んだり、ベアリング内部の摩耗粉の排出を妨げ、かえって摩耗を促進してしまいます。
 また、油脂や有機溶剤等は、ライナーの樹脂劣化を招く場合もあります。

 砂塵等の汚れがひどい環境の場合は、ゴムブーツやシールで汚染を防ぐことにより、ベアリング寿命のアップを図って下さい。

 <クリーニングの方法>
 砂塵等の汚れについては、ウエスで拭き取った後、高圧エア等で吹き飛ばして下さい。

 油分等を含む、ひどい汚れの際の洗浄にはアルコールを用いて下さい。アルカリ性や酸性の洗浄剤は避けて下さい。特にアルカリ性の洗浄剤を使用された場合、テフロンライナー自体が溶解したり、接着部分が剥離したりする場合がありますので、
注意が必要です。
 なお、摩耗過程においてボール球面にライナーの樹脂が転写し、金属面が茶色く変色する事が有りますが、正常なものですので無理に除去しないで下さい。

 <テフロンライナーの性質>
 水分(湿気)や油分を含むと、ごく僅かですがライナーが膨らみトルクが上昇することがあります。水分の場合、よく乾燥させれば、ほぼ元のトルクに戻ります。

 <交換時期について>
 ライナーの厚さは約0.3mmです。(直径方向でトータル0.6mm)ライナーの摩耗量が片側0.15mmを超えた時点での交換を推奨しています。
 なお、偏摩耗等により内輪/外輪、金属同士の接触が見られる場合は、摩耗量にかかわらず交換が必要です。

 <金属の材質について>
 内輪はステンレス鋼ですが、環境により錆が発生する場合もあります。
 特に球面の錆は寿命に影響を与えますので、ひどい錆は、面粗さや形状を悪くしないような方法で除去をお願いします。
 外輪は耐候性の高いステンレス鋼ですので、メインテナンスは不要だと考えます。